ユーモアの力: ビジネスと笑いの関係性

ユーモアは最強の武器である―スタンフォード大学ビジネススクール人気講義

「ユーモアは最強の武器である」という本を読みました。毎度おなじみ印象に残ったポイントをメモしていきます。

ユーモアの現状

ギャラップ社の調査によると人々が笑う回数は23歳頃から急激に減り始めることがわかった。

社会に出ると笑うよりも眉間にシワを寄せる回数のほうが遥かに多くなる。

ユーモアに関する4つの誤解

1. ビジネスは真面目であるべきという思い込み

ユーモアは信頼を損ねるのではないか、まともに取り合ってもらえないのではないか、と心配してしまうことが原因。

しかし、エクゼクティブ・リーダーを対象にした調査では、ほとんどの回答者は「ユーモアのある従業員を好む」ことがわかった。さらに84%は、「仕事ができる」という印象を持つことがわかった。実際ユーモアのある従業員はリーダーに選ばれる確率が高くなる。

50以上のチームを対象にした研究では、チームのメンバーがユーモアを使ってやり取りをしている場合は、より機能的なコミュニケーションをとっており、チームの業績も高いことがわかった。さらに、この効果は2年後も続いていた。つまり、遊び心のある文化は、チームにとってリスクの高い場面や困難なときこそ、しなやかに乗り越える。

2. うけないという思い込み

面白いことを言っても、うけないに違いないという根深い、強い恐怖心がある。しかし、うけないのは自分がつまらないからというわけではなく、多くの要因があるし、うけたとしても「成功」とは限らない。

重要なのは笑いを取ったかではなく、そのジョークが適切とみなされたかどうかだった。

3. 面白くちゃいけないという思い込み

「面白くちゃいけない」という思い込みはどんな人にもありがち。しかし、「面白いこと」よりも遥かに重要なのは、自分にユーモアのセンスがあることを伝えることである。

4. 生まれつきの才能という思い込み

ユーモアは才能で、伸ばすことはできないと思っているひとは多い。これは「マインドセット」の著者のキャロル・ドゥエックの言う、硬直マインドセットである。やればできるというしなやかマインドセットを心がけることがポイント。つまり、ユーモアもトレーニングと実践によって強化されるスキルということである。実際にトレーニングを通して、ユーモアが磨かれたという事例もある。

ユーモアの4つのタイプ

あらゆる実験を行った結果、ユーモアには4つのタイプに分類できることがわかった。

スタンダップ(攻撃的・表現力豊か)

笑いを取るためなら、少々事を荒立てるのもいとわない。人前に出るとイキイキするタイプで、ジョークにしてはいけないネタはほとんどないと思っていて、平気で悪態をついたり、毒のあるユーモアや悪ふざけや自虐ネタも堂々と披露したりするタイプ。

スイートハート(親しみやすい・さりげない)

誠実なタイプで、さりげなく振る舞う事が多い。その場の思いつきでジョークを飛ばすというよりも、会話やスピーチの中でクスっとくるようなユーモアを織り交ぜていくタイプ。人の感情を傷つける危険を犯してまで、人をからかったりしない。明るいユーモアを好み、注目を集めるのに興味がない。

スナイパー(攻撃的・さりげない)

鋭くて皮肉っぽい、さりげないユーモアを好む。笑いを取るためなら、一線を越えるのも恐れない。自らのユーモアを「手練の技」と表現する。スイートハートとの違いは「とげのある」ユーモアという点。一発で仕留める様はまさにスナイパー。

マグネット(親しみやすい・表現力豊か)

いつも上機嫌で、ムードメーカー的なポジション。ポジティブで人懐っこく、常に明るい態度で振る舞う。話し方は生き生きしていて、おバカなジョークやオーバーなりアクションで場を盛り上げる。パーティーで一発芸を披露するのが得意な人に当てはまる。

これらの4つのタイプは場面によって使い分けれる。その場の雰囲気によってタイプを変える。

ユーモアの脳科学

行動科学の研究では、仕事上でユーモアを用いることによって4つの効果が高まる事がわかっている。

パワー

地位が高く知性が優れている人とという印象を与え、相手の行動や意思決定に影響を及ぼす。こちらが提案したアイデアを覚えてもらいやすくなる。

つながり

知り合ったばかりでも信頼感が生まれ、打ち解けることができる。長く続いている間柄なら、なおさら満足感を覚える。

創造性

それまで見落としていた関連性に気づきやすくなる。リスクのあるアイデアや型破りなアイデアを思い切って提案できる。

レジリエンス

ストレスが緩和され、挫折から立ち直りやすくなる。

まとめ

確かに社会に出てから笑わなくなったなーと思いましたが、仕事でのプレッシャーだったりそもそもユーモアをいうこと自体が遠慮しがちになっていましたねー。でもこれだけメリットがあるとむしろ積極的に笑いを起こすぞ!ってモチベーションになりました笑 実際仕事での会話を意識的にジョークを言うようにしてからは、「あれ、意外とみんな受け入れてくれてる?」みたいな印象を受けたのでやってみてよかったです。 まーやりすぎると「いつもふざけてる奴」だと思われかねないので、仕事もきちんと成果だしつつ適度にユーモアを求めていきたいです。 あとはユーモアとまでいかなくとも必要以上に緊張感を持ちすぎない方が、脳のリソースが空くので仕事もしやすくなりそうです。 とりあえず今後はスイートハート的なスタンスでほのかなユーモアを醸していきます笑