Zapとzerologの比較:Go言語のロギングライブラリの選択肢

今回は、Go言語でアプリケーション開発をする際に欠かせない「ログ出力(ロギング)」について、書いていきたいと思います。

ログ出力は、アプリケーションの動作を把握したり、問題の特定と解決に役立つ超重要な機能です。 で、Go言語にはたくさんのロギングライブラリがあるんですが、今回は特に人気の高い「Zap」と「zerolog」を比較してみようと思います。

まずは、Zapの特徴から。Zapは、Uber社が開発した高速でスケーラブルなロギングライブラリであります。

package main

import (
    "go.uber.org/zap"
)

func main() {
    logger, _ := zap.NewProduction()
    defer logger.Sync()

    logger.Info("ユーザーがログインしました",
        zap.String("username", "john_doe"),
        zap.Int("userId", 42),
        zap.Time("loginTime", time.Now()),
    )
}

この例では、NewProduction()関数でロガーを作成し、Info()メソッドでログを出力しています。zap.String()zap.Int()zap.Time()などの関数を使って、構造化されたログ情報をキー・バリューペアで表現しているのがポイントです。

Zapの主な特徴は、高速性、構造化されたロギング、柔軟な設定の3つです。特に高速性は他のロギングライブラリと比べても群を抜いていて、大規模なアプリケーションに最適。

次に、zerologの特徴を見ていきましょう。zerologは、ゼロ割り当てのJSON構造化ロギングライブラリです。

package main

import (
    "github.com/rs/zerolog"
    "github.com/rs/zerolog/log"
)

func main() {
    zerolog.TimeFieldFormat = zerolog.TimeFormatUnix

    log.Info().
        Str("username", "jane_smith").
        Int("userId", 24).
        Msg("ユーザーがログインしました")
}

この例では、zerolog.TimeFieldFormatでタイムスタンプの形式を設定し、log.Info()メソッドでログを出力しています。Str()Int()などのメソッドを使って、構造化されたログ情報をJSONフォーマットで表現しているのがポイントです。

zerologの主な特徴は、ゼロ割り当て、JSON形式のログ出力、マルチレベルのロギングの3つです。特にゼロ割り当てによるメモリ使用量の少なさは、コンテナ化されたアプリケーションやサーバーレスアーキテクチャにぴったりなんです。

で、肝心の比較ですが、下の表にまとめてみました。

Zap zerolog
パフォーマンス 非常に高速(最大10倍) 高速(ゼロ割り当て)
ログ形式 構造化(キー・バリュー) JSON形式
設定の柔軟性 高い(JSONYAML、コード) 中程度
メモリ使用量 中程度 低い(ゼロ割り当て)
学習の容易さ 中程度 容易

Zapは高速性と柔軟性に優れ、大規模なアプリケーションに適しています。特にマイクロサービスアーキテクチャを採用している場合は、Zapの高速性とスケーラビリティが威力を発揮しそうです。

一方、zerologはメモリ使用量が少なく、JSON形式でのログ出力が可能で、コンテナ化されたアプリケーションやサーバーレスアーキテクチャに向いている。また、シンプルなAPIで学習が容易なので、小規模から中規模のアプリケーションにもおすすめらしい。

というわけで、ZapとzerologはどちらもGo言語の優れたロギングライブラリですが、アプリケーションの要件に合わせて選択することが重要です。適切なロギングライブラリを選んで、効果的なロギングを実装すれば、開発もメンテナンスもグッと楽になるという話でした〜。

参考情報リソース